本別町歴史民俗資料館ブログ

【報告】第4回ほんべつ自然観察会「まちの文化財を知る〜勇足神社のかしわ林〜」

2024年7月13日(土)に第4回ほんべつ自然観察会「まちの文化財を知る〜勇足神社のかしわ林〜」(主催:本別町歴史民俗資料館)を開催しました。今回はいつもと趣向を変えて、本別公園周辺の山々ではなく、勇足神社をフィールドに文化財をテーマに観察会を実施。町内在住の7名が参加されました。

*参加者内訳:一般7名

写真1 勇足神社境内の様子

『勇足神社のかしわ林』は1980年2月に町指定文化財に指定された本別町の開拓記念物です。勇足神社は本別開拓八翁の1人、東條儀三郎が管理人を務めた「利別農場」があった場所。境内には開拓当時のカシワが主体だった自然林の一部が残されており、7本の文化財指定木カシワが立木しています。(文化財指定当時は8本でしたが、台風の影響を受けてしまい、1本が倒木…。7本が現存しています。)

写真2 境内に生育する7本の文化財指定木カシワを探し回ります。

そんな「本別町の宝物」ですが、町民であっても「勇足神社の場所がわからない。」「訪れたことがない。」という人が多いようです。今回の観察会が参加者にとって、【自然と親しむ・開拓の歴史に触れる・町の文化財を知る】きっかけになったのではないでしょうか。ただ、町指定文化財を守り、残していくだけでなく、学びの場として活用を試みた事例となりました。

写真3 文化財指定木カシワの樹幹の太さを身体で体感します。

観察会では、利別農場にまつわる開拓史を紹介した他、参加者と一緒に7本の文化財指定木を探しつつ、樹木カシワの生態や同属ミズナラとの違いを解説。参加者はカシワに両手を広げて抱きつき、樹幹の太さを体感していました。また、境内ではオカトラノオの群生が見られた他、菌従属栄養植物であるオニノヤガラ1個体の自生が確認されました。文化財保護や生物多様性保全の両側面から、境内の植生を定期的に記録する必要がありますね。来年度も同時期に、勇足神社をテーマにした観察会を開催し、地域の方と一緒に経年変化を追ってみようと思います。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

事業名:第4回ほんべつ自然観察会「まちの文化財を知る〜勇足神社のかしわ林〜」

主 催:本別町歴史民俗資料館

場 所:勇足神社(北海道本別町)

案内人:永末 透威(地域おこし協力隊 資料館担当 / 自然観察指導員)

 

活動写真&自然写真

*写真の使用については、参加者からご承諾をいただいております。

写真4当館所蔵の写真資料を用いて利別農場の事務所があった当時の様子や開拓の歴史を解説します。
写真5 周辺が耕作地で囲まれた神社境内の自然林に足を踏み入れます。
写真6 オカトラノオ(2024年7月13日 / 勇足神社)
写真7 オニノヤガラ(2024年7月13日 / 勇足神社)

 

本別町歴史民俗資料館

Honbetsu Museum of History and Folklore

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