本別町歴史民俗資料館ブログ

【報告】ほんべつ学夏のまなび「ネイチャーゲーム〜草地の自然とふれあおう!〜」

2024年7月7日(日)、ほんべつ学夏のまなび「ネイチャーゲーム〜草地の自然とふれあおう!〜」(主催:本別町教育委員会 社会教育担当)を開催しました。資料館担当の永末が講師として協力。町内在住の小学生8名と保護者5名がイベントに参加されました。

【PDF】ほんべつ学~夏のまなび~チラシ

この日は、ネイチャーゲームを活用した身近な自然環境とのふれあいを通して、ふるさと本別について学びを深めること、多角的なものの見方や探究心を育むことを目的に活動しました。当初、終日野外での活動を予定していましたが、開催直前になって突然の小雨…。急遽、前半戦は中央公民館(屋内)で行い、後半戦は公民館裏の河川敷(野外)での活動に移行しました。

写真1 <ノーズ>でウシを取り上げました(牧草地も広義に「草地」)

前半戦:屋内ではネイチャーゲームのアクティビティである<ノーズ>と<動物交差点>を実践。個体の大きさや体の特徴、餌、生息環境などの情報を聞き出し、ヒントを元に何の生き物かを当て合いました。自分の背中につけられた生き物カードが何かを当てるゲームです。保護者の方々にも参加してもらい、ネイチャーゲームを楽しむ雰囲気が作られました。子ども・大人関係なく、交流しながらヒントを得て、頭を傾げながら悩む姿が伺えました。分かりそうで分からない。情報を整理して絞り込む作業は大人でも難しいですよね。

写真2 <動物交差点>自分の背中につけられた生き物を探るため、協力して情報を集めます。

後半戦:途中、小雨が落ち着いたため、野外活動へ移行。中央公民館裏にある本別川の河川敷に移動し、草地の自然とふれあいました。まずは「色」に着目して草地の自然を観察。その後、「形」に着目して観察。「身近な草地にどんな自然物があって、それはどんな色をしていて、どんな形をしているのか?」虫眼鏡も使いながら、じっくりと草地を歩き回りました。

写真3 虫眼鏡を使いながら親子で草地の自然の中から色々な形を探します。

「なぜ植物は緑色なのか?」「石の色はなにで決まるのか?」「河川敷に生えていたあの花の名前は何だろうか?」「アリの巣の中はどうなっているのだろうか?」などなど…。今回の活動が身近なものに疑問を抱き、調べて学ぶきっかけになれば幸いです。同じものであっても、「色」を見た場合、「形」を見た場合とで見え方が異なり、新たな発見につながったりします。色々な視点で物事を捉える力が少しだけ育まれたのではないでしょうか?

写真4 様々な色が描かれたカードと自然物を並べて比較しながら、草地を歩き回ります。

近年、学校教育において「総合的な学習(探究)の時間」に力を入れている教育機関が増えています。探究学習は一般的に「課題設定→情報収集→整理・分析→成果発表」という学習段階で進められており、一連の学習を通して多角的な視野や論理的思考力などを養うことができる学習です。1つのテーマに対して、様々な視点で深く深く突き詰めていく、実に楽しく・根気のいる学習です。

本別町の教育機関でも熱心に取り組まれています。今回のイベントは、探究学習の練習のような内容。子どもたちの中には、既に学校で探究学習を頑張っている子もいましたが、ほとんどは今後、そういった学習に取り組んでいく子達でした。今回のネイチャーゲームが少しでも、子どもたちの学びの助けになれば嬉しいです。いつか「あ!あの時のネイチャーゲームでやった活動は、こういうことだったのか!」とリンクする日が来るといいですね。

 

特記事項

本イベントの内容について、「地域学習におけるネイチャーゲームの導入的活用〜社会教育活動「ほんべつ学」を事例に〜」という標題で、(公社)日本シェアリングネイチャー協会に報告しました。この度、ネイチャーゲーム実践事例・研究報告としてWeb掲載されました。下記リンクから閲覧が可能です。

(公社)日本シェアリングネイチャー協会. ネイチャーゲーム実践事例・研究報告

 

 

活動写真

*写真の使用については、参加者からご承諾いただいております。

写真5 子ども・大人関係なく交流しながら、生き物の情報を聞き出し合います。
写真6 野外での活動がスタート。子どもたちの目はキラキラしています。好奇心旺盛!
写真7 <森の色あわせ>カードを配布し、子どもたちはアクティビティを楽しむ準備万端です。
写真8 カード上に自然物を並べて、色を比較しています。お目当ての色は見つかったかな?
写真9 発見の共有。「こんなもの見つけたよ!」とみんなでシェアします。

 

本 別 町 歴 史 民 俗 資 料 館

Honbetsu Museum of History and Folklore

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