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子どもたちが帰って来れる持続可能なまちづくりをするandほんべつが描く未来(後編)

行政だけではできなかったことや、今まで民間だけではできなかったことができるようになることが一般社団法人andほんべつの存在意義。集まるべくして集まったそれぞれの分野で活躍する4人が歩み出した物語の序章。

 

子どもたちが帰って来れる持続可能なまちづくりをするandほんべつが描く未来(前編)では、andほんべつチームのメンバーやメンバーたちが考える問題意識や町の課題についてお話を伺いました。

後編では、チームができるまで~これから取り組んでいきたいことを伺いました。

 

「andほんべつ」というチームが出来上がるまで


-andほんべつに関わるようになった経緯はどのようなものだったのでしょうか?

池田:町がSDGs未来都市をはじめたことがきっかけですよね。中央から地方にお金を動かしていこうというものですよね。

内田:ただ、実は気が付いたことがあって、中央から地方にという流れがあるにも関わらず、結局は大手企業だけのものになってしまっている気がするんですよね。情報を大手企業しかもっていない。本来は、この流れの中でそこにしっかりと乗っかっていける自治体なのか?を見られている気がしていて。これを上手く活用できる自治体でないと今後生き残っていくことは難しいと思うんですよ。


-だからこそ、本別町は行政だけでできることの限界をかんじていたから、はじめから民間の力を生かそうと考えた?

内田:はじめ、SDGs推進協議会が立ち上がり、岡崎さんと小笠原さんが協議会のメンバーだったんですよね。

小笠原:実は私は当初は中心市街地活性化協議会の座長だった。農協がAコープの跡地を何とかしたいと思っていて、私はその件に関わっていたんです。ただ、このメンバーがSDGs推進協議会とほぼ同じメンバーだったんです。

そんな経緯があって、内田さんと岡崎さんが「一緒にやろう」と言いに来てくれたんですね。その後、池田さんにも同じように「一緒にやろう」という話をしに行ったんです。だから、私は少なくとも当初の農協の立場としては、だいぶ逸脱した立ち位置にいる感じですよね(笑)

岡崎:みんな共犯者です(笑)

池田:自分としても、この話を引き受けたのはこのメンバーだったからというのはありますよね。それまで、ここまで頻繁に顔を合わせるメンバーではなかったのですが、僕としては異業種で、自分の会社と違う視点で商売ができるのは、可能性があってわくわく感がありました。だから、結果としてこの4人でないとできないことをやればいいんじゃないかと思っています。


-なるほど。SDGsもそうですけど、結局は中心市街地活性化も地域の持続可能性のためにやっていることで、そして、圭吾さんは中心市街地の中で最もいろいろなことを取り組んでいるプレーヤーだったと思うんですね。つながるべくしてこのメンバーがつながった感じですね。

(写真)集まるべくして集まったandほんべつの4人のメンバー

 

「andほんべつ」では、4人だからできることを


-andほんべつを通じて何を成し遂げていきたいと考えているのでしょうか?

内田:お金やノウハウを利活用できるまちかどうかを見定めているので、スピード感などが大切だと思っています。高齢者もほとんどスマホをもっている時代になっている。否定するのではなく、変化していることに慣れていくしかない。いままで当たり前だったものをどんどん変えていく必要があるんです。

だから、企業も変化し伸びていかなければならないし、人々が豊かさを感じられるような町になることが大切ですよね。町の所得を伸ばして行こうということはあまり現実的でないので、本別町をひとつの“企業”として仮定すると「じゃあ、何をするべきなのか?」は自ずと見えてくると思っていて、町がこれを実行していくためのきっかけをつくるのが僕らの役割ではないでしょうか。


-今、内田さんが言われた所得を伸ばすわけではない方向感って、andほんべつとしてどのようなことをしていくイメージなのでしょうか。

内田:「ブランド認証」なんかは、どちらかというと売り上げを伸ばそうという方向感ですよね。一方、経費を減らしていくことはDXなどを通じて取り組んでいくことだと思うんですね。無駄なものを減らしていくために、どのようなソフトなどを導入していくかなども僕らがきっかけとなって町の取り組みにしていくことが考えられることかもしれないです。


-確かに町のなかで注目度も高い皆さんがDXなどを取り組むと、もしかすると町の他の企業や子供たちもそれをみているかもしれないですね。

    (写真)自身の会社でも様々なDXなどにも取り組む内田さん

 

さらに、先ほど上がった4人だからできること、4人でしかできないことみたいなことはどんなことがありそうでしょうか。

小笠原:それぞれ違うことをやっているので、週1回会って話をするだけでも、それぞれ意外な発見などもある。

池田:あまり本別町の課題みたいなことを意識しすぎると動きにくくなってしまうので。行政からもいろいろ提案をしてくれたりするけれど、中には「やめる」という判断をすることも民間が関わる意味かなって思うんですよね。民間の目線で実現可能性などを精査することも必要な役割かなと。

内田:未来都市なので、もっともっと夢見たことを描いてもいいのではないかって思ってるんですよね。自動運転などが普及すれば、移動手段などの壁が乗り越えられるので、ほとんど稼働しない車を維持するための費用なども必要なくなる。その分をもっと子育てなどの必要なことにお金をかけることもできるのではないかと思います。


-いいですね。実質的に手取りも増えるし、会社帰りにみんなが飲んで帰れるようになりますね。

小笠原:転勤族で町外からこられた方から共通して言われることは、「本別って情報の発信の仕方がうまくないよね」ということですね。自分たちが地域の魅力に気が付いていないということもあるかもしれないし、もう少し自分たちができることはあると思います。


-andほんべつで、色々企画したことを発信していくことで、それが現実になっていくみたいなことはできるかもしれないですね。

岡崎:我々の目線で情報を収集するなりした結果生まれてきたアイデアがあるものを、行政とどう結び付けていくのかみたいなことはandほんべつだから出来ることかもしれませんね。

池田:andほんべつとしては包括連携協定を結んだので、もう少し町に提案をして行ければいいのではないかと思っています。andほんべつという民間が介在することで、行政の動きも後押ししていくことができ可能性がありますね。そうするとスピード感が出てくるかもしれないですよね。

 

子どもたちが帰って来れる持続可能な町を目指して


-あらためて、ここまで話してきましたが未来の本別町はこうあってほしいみたいなことはどのようにお考えですか。

小笠原:やっぱり、子供たちがアンケートで答えてくれているように、帰りたい町がいざ帰れるときに存続しているようにしたいですね。一番良いのは、次の世代がここに暮らして生活しているという未来が見たいですよね。

内田:子育てでも引退後の老後でもあまりお金の制約が少なくなるようなまちづくりにしていきたいですよね。そうするともっと利便性などに意識が向かい、もっと使うべきことにお金を使っていけるようになる。


-andほんべつが組織として、企業として大切にすることってどんなことがありますか。

池田:企業理念のようなものがあるわけではないですけど、今まで行政だけではできなかったことや今まで民間だけではできなかったことができるようになるといいなというのはありますね。


-最後にインタビューを見てくださっている方へのメッセージなどあればいただけますか?

池田:私たちの活動であったりやろうとしていることなどを知って、本別町にちょっとでも興味を持っていただける企業や人はぜひご連絡ください。同じようなことを考えながら悩んでいる方もいるかもしれないので、一緒に突破するための意見交換などでも意味があると思います。

それからandほんべつで僕らと一緒にプロジェクトなどをカタチにしていきたい方も募集しています。

    (写真)町外からのゲストをあたたかく迎える源すしの大将でもあるandほんべつ・代表理事の池田さん


-ご関心がある方は、ホテル和さびに一泊してもらい、夜は源すしで皆さんと一緒に飲んで語らうといいかもしれないですね。本日はどうもありがとうございました。

 

 

<一般社団法人andほんべつの4人の略歴>

池田 圭吾
本別町出身。小・中・高校と本別で過ごし、大学および修行のため札幌へ。その後、本別町に戻ってて家業の源すしを継承。源すし、仕出し屋のいけ乃およびホテル和さびの経営及び商工会青年部、商工会理事など歴任。一般社団法人andほんべつ代表理事。

小笠原 愛
本別町出身、短大卒業後、旅行業勤務を経て約20年前に本別町に帰ってきて和牛の育成・繁殖を手掛ける実家の牧場を継承。JA本別の理事、中学校PTA役員など地域にも多く携わる。一般社団法人andほんべつ理事。

内田 智大
本別町出身、本別高校を卒業後、東京に出て4年ほど社会勉強し、本別にUターン。父親の急遽の入院などもあり、有限会社本別砕石工業、有限会社前田自動車工業の社長に36歳で就任。商工会理事や十勝骨材共販協同組合理事等公職も歴任。本別町SDGs推進協議会会長、一般社団法人andほんべつ理事。

岡崎 慶太
本別町出身、高校まで本別町で過ごし、その後江別市でサラリーマンを経験した後に、34歳の時に本別町にUターン。家業である株式会社岡崎組に携わる傍ら、2017年にタイニーハウス「KOYA.lab」を創業、2022年より宿泊施設KOYA.lab陵雲荘開業。NPO法人銀河ほんべつ理事長、商工会副会長および健康長寿まちづくり会議会長などを担う。一般社団法人andほんべつ理事。

 

一般社団法人andほんべつはこちら

インタビュアー
地域包括ケア研究所 藤井 雅巳

抽象的に捉えられがちな「地域包括ケアシステム」を、実践を通して具現化するシンクタンク「地域包括ケア研究所」の代表理事。2017年より本別町に頻繁に足を運び、町の魅力として、「人」にフォーカスするWebメディア「HOTほんべつ」を企画。

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