【視察レポート】地域資源を活かした“持続可能なまちづくり”とは
ー 岐阜県(飛騨市・郡上市・美濃加茂市)から学ぶ、andほんべつの次の一手 ―
令和7年11月、私たち一般社団法人andほんべつの今後の事業展開に向けて、岐阜県(飛騨市・郡上市・美濃加茂市)を訪問し、再生可能エネルギー事業やまちづくりの先進事例を視察してきました。
今回の視察を通じて見えてきたのは、「地域の資源をどう活かし、どう収益化するか」、そして「その中心に誰がいるのか」という本質的な問いでした。

風景を守ることが、価値を生む
― 飛騨市・種蔵地区の古民家再生 ―
最初に訪れたのは、飛騨市宮川の種蔵地区。
美しい棚田と古民家が広がるこの地域は、人口減少と空き家の増加という課題を抱えていました。しかし、行政の後押しをきっかけに、地元事業者が主体となって古民家や棚田を再生。さらに宿泊施設として活用することで、観光資源へと転換されています。
ここでの学びは明確で、「守るべき風景」は、適切な設計によって“稼げる資源”に変わる。
andほんべつにおいても、本別町ならではの風景や文化をどう価値化するかは、今後の重要なテーマです。
小水力発電にみる“地域エネルギーの可能性”
同じく飛騨市では、小水力発電所も視察しました。
約100mの落差を活かし、最大550kWを発電する仕組みは、自然条件を活かした非常に効率的なエネルギー事業です。地域内に複数の発電所を保有し、事業として成立している点も印象的でした。
再生可能エネルギーは単なる環境施策ではなく、
地域経済を支える「収益事業」になり得ることを実感しました。

(写真)宮川水力開発合同会社 森安発電所
コワーキングだけでは成立しない
― 郡上市のサテライトオフィスのリアル ―
郡上市では、サテライトオフィス・コワーキング施設「HUB GUJO」を訪問。
国のワーケーション施策を活用して整備された施設ですが、実態としては単体での収益化は難しく、観光と組み合わせた一時利用が中心となっていました。
現地で伺った言葉が非常に示唆的でした。
「コワーキングだけでは収益は出ない。複合的な事業設計が必要」
これはそのまま本別にも当てはまります。
例えば、キャンプ場や観光資源と連動した設計、さらにはキャンピングカー向けインフラの整備など、“使われ方”から逆算した施設設計が求められます。

(写真)コワーキングスペース「HUB GUJO」
バイオマス発電が示す“産業としての再エネ”
さらに、美濃加茂市では、大規模なバイオマス発電所を視察。
年間発電量は約5,000万kWh、一般家庭16,000世帯分に相当する規模で、FIT制度を活用しながら安定した収益を生み出しています。
特に印象的だったのは、燃料供給の仕組み。
地元企業が主体となり、木材を安定的に調達・供給する体制が構築されていました。
つまり、発電所単体ではなく、
「燃料供給まで含めた産業構造」が成立しているという点です。

(写真)美濃加茂バイオマス発電所
民間主導で動くエネルギーとまちづくり
株式会社エコソニックの取り組みも非常に興味深いものでした。
太陽光発電と電気自動車を組み合わせ、災害時には蓄電池として活用する仕組みを事業化。民間企業と電力会社が連携し、新たな価値を生み出しています。
ここでも共通していたのは、
「行政ではなく、民間が主導している」という点でした。

(写真)みちヤネソーラー発電からの供給と配給確認
“人が集まる場所”は設計できる
― RIVER PORT PARKの成功モデル ―
最後に訪れたRIVER PORT PARK。
木曽川を活かしたアウトドア施設として、年間約18万人が訪れる人気スポットです。BBQ、SUP、カヌーなどのアクティビティに加え、教育(小学生の授業)とも連動しています。
単なる観光施設ではなく、
「地域・教育・観光がつながる場」として設計されている点が特徴です。
そして何より重要なのは、
しっかりと収益化されていること。
視察を通じて見えた、3つの本質
今回の視察を通じて、私たちが強く感じたことは以下の3点です。
① 「核となる人」がすべてを動かす
どの地域にも、事業を推進する強い意思を持った個人が存在していました。
② 収益事業がなければ続かない
理想や理念だけでは持続しません。必ず「稼ぐ仕組み」が必要です。
③ 単体事業ではなく“組み合わせ”で設計する
コワーキング、観光、エネルギー、教育…
これらをどう掛け合わせるかが鍵になります。

(写真)ワーケーションオフィス
andほんべつのこれから
今回の視察は、単なる成功事例の見学ではなく、
「本別で何ができるか」を問い直す機会でした。
本別町には、まだ活かしきれていない資源が数多くあります。
・自然環境
・人のつながり
・チャレンジする余白
これらをどう組み合わせ、どう事業化していくのか。
andほんべつはこれからも、
”地域にある可能性を、持続可能なかたちで実装する”ことに挑戦していきたいと思います。