【視察レポート】“つなぐ拠点”はどうつくるのか ― 長沼町・南幌町・EZOHUBから考える―

令和7年5月、andほんべつとして検討を進めている「サテライトオフィス・交流拠点」の可能性を探るため、長沼町・南幌町・札幌(EZOHUB)を視察しました。
今回の視察テーマはシンプル。
「人と人、地域と外をつなぐ拠点はどうすれば成立するのか?」
そのヒントは、3つの異なるアプローチの中にありました。
小さくても回る拠点のつくり方
― 長沼町「ホワイトベース」 ―
最初に訪れたのは、長沼町のサテライトオフィス「ホワイトベース」。
元々は居酒屋だった建物を改装し、国の交付金を活用して整備された施設です。特徴的なのは、華やかなデザインや大規模投資ではなく、「運営の仕組み」そのものにありました。
・地域おこし協力隊の拠点として活用
・小規模な個室(1坪程度)を個人事業主に貸し出し
・運営は地元人材が合同会社を立ち上げ担う
つまり、
“確実に使う人”を先に設計することで、安定した収益をつくっているのです。
これは本別にとって非常に重要な示唆です。
大きな施設をつくることよりも、
「誰が使うのか」「どう使い続けるのか」から設計することが、持続性の鍵になります。
公共施設は“目的”がすべて
― 南幌町「はれっぱ」 ―
次に訪れたのは、南幌町の子ども室内遊戯施設「はれっぱ」。
大型遊具や木製玩具が並ぶ魅力的な施設ですが、平日の利用は少なく、週末に集中する傾向がありました。
一方で、
・料金設定(町内100円/町外300円)
・近隣施設との差別化
・ブランド(ボーネルンド)との連携
などにより、広域からの集客を実現しています。
ここで感じたのは、
公共施設は「つくること」ではなく、「どう使われるか」が価値を決めるということです。
andほんべつにおいても、
「誰のための場か」「どんな行動を生み出す場か」を明確にしなければ、単なる箱になってしまうと実感しました。

民間がつくる“越境のハブ”
― サツドラ EZOHUB SAPPORO ―
今回の視察で最も象徴的だったのが、サツドラのEZOHUBです。
ここは単なるコワーキングスペースではありません。
・イベントや発信を行う大空間
・コワーキングとサテライトオフィス
・企業や人が交差する場
・北海道と外部をつなぐ拠点
その根底にあるのは、サツドラの掲げる思想です。
「北海道から日本の未来をつくる」
つまりEZOHUBは、
“場所”ではなく、“人々の交流を生み出す装置”なのです。
さらに興味深いことは、これが民間企業によって推進されている点。
本来、こうした役割は行政が担うことも多い領域ですが、
サツドラはあえて自らその役割を引き受け、
外から価値を呼び込み、地域に循環させる仕組みをつくっています。
andほんべつにとっての意味
今回の視察を通じて、andほんべつとして見えてきた方向性は明確。
① 拠点は「サイズ」ではなく「設計」で決まる
小さくても回る仕組みがあれば成立する
② “使われ方”から逆算する
誰が、いつ、どう使うのかを先に描く
③ 外とつながることで価値が生まれる
内向きではなく「越境」を前提にする
最後に
今回の視察を一言でまとめるならば、
「拠点とは、人と人が交わる“仕組み”である」
ということです。
建物ではなく、
設備でもなく、
そこに生まれる関係性こそが価値。
andほんべつはこれからも、
人が出会い、挑戦が生まれ、地域の未来につながる場づくりに取り組んでいきたいと思います。

